2019年07月08日

2020年「瑕疵担保責任」が無くなります。

瑕疵担保責任と聞いても意味がわからない方も多いかと思いますが、
傷や欠陥があった場合の、売主の保証責任という意味になります。
傷や欠陥と言っても、物理的な傷や欠陥だけではなく、
騒音や振動、異臭、自殺や他殺などの心理的な悪影響も瑕疵に含まれます。
今の民法の規定では、買主が瑕疵を発見した場合、1年間以内に売主に対し、
損害賠償や契約解除の請求ができることになっていて、
実際に10年以内(債権の消滅時効)であれば、
発見してから1年以内に売主に請求すれば、
売主に賠償請求する権利があり、売主はそれに応じる義務を負います。

2020年4月1日の民法改正で、この「瑕疵担保責任」という名称が、
新たに「契約不適合責任」という名称に変更になります。
単純に名称が変わるだけでなく、責任の範囲も拡大しますし、
発見してから1年間の請求期限も、5年に延長されます。
民法では、今よりも更に売主より、買主の権利が強くなる改正内容です。

では、実際の不動産取引の売買契約ではどうでしょうか。
実は、民法の規定を適応するとなると、
売主の引き渡し後のリスクが大きすぎる理由で、
「売主は瑕疵担保責任を負わない。」または、
「売主は、引き渡し後3ヶ月のみ瑕疵担保責任を負う。」
と民法より随分と売主優位の条項に変更しています。
更に瑕疵担保責任の範囲も限定して、
売主に優位にしている場合がほとんどです。

なぜ、こんなに売主を保護した契約条項になっているのでしょうか。
実は、以前もこのブログで記載しましたが、
日本の中古住宅の売買では築10〜15年で評価は半減して、
築30年超えると価値がつかないのが一般的です。

そのため、もともと建物の価値を低く(又はほぼ0)にする代わりに、
売主の保証義務を軽く、又は、免責するのが公平だという理屈です。

今後は、建物の価値を相応に評価し、価格に反映させる様に変わっていきます。
耐震性やメンテナンスの状態によって、同じ築年数でも金額に幅ができます。
売却する際に建物診断を行っているかどうかでも今以上に影響が出るため、
今後は建物診断もスタンダードになっていくでしょう。

それで、実際には建物の価値がその金額に見合う価値がなかった場合、
例えば、隠れた瑕疵がある場合はもちろん、
性能面にいたるところまで、将来的には売主に責任を負わせる為に、
まずは民法が進むべき方向性を示した形となったと推測しました。

今後は、宅建業法がそれに追随する方向に改正されるのでは無いでしょうか。
今は、建物を低い価値で購入できる代わりに、リスクは買主が負担します。
もし安く変えるなら多少リスクがあっても構わないという方は、
今が安く変えるチャンスなのかもしれません。
弊社としては、特にそういう理由で「今が買い時ですよ!」
と勧めるつもりは全くありませんが。

posted by U-kai(とも) at 17:01 | Comment(0) | 日記
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