2017年11月10日

地目変更登記忘れは大変!

ども、店長です。


ここ最近同じようなケースで売却時に苦労したことがあったのでお話ししたいと思います。


端的に言うと、



@元々農地(田または畑)だった土地で農地法4条届(もしくは許可)を経て建物を建てました。


A建物を建てる際に金融機関から借入はしませんでした。


B数十年経って、建物もボロボロになったので解体撤去しました。


C更地を売りに出そうと思ったら、地目が農地のままです。


D建物は既に存在しないので宅地への地目変更は認められません。


E農地のままで一般人同士の売買はできない。さぁ、どうする?困った!



というパターンです。


こうなってしまった原因は色々あります。


まず、農地法4条届(もしくは許可)ですが、手続きを終えても 農地法上の農地でなくなるだけです。


地目変更は登記法の管轄で、所有者が行なうことですが強制ではありません。


地目が農地のままでも、課税は現況を見て課税してくるので税収入としては支障が無い為、税法上も何も言ってきません。


唯一口を出してくるとしたら金融機関で借入して土地が担保に入る場合です。


ローンが払ってもらえなくなったら担保を売却して債権回収に当てなければならないので、その場合にスムーズに処理が進むように、金融機関は必ず地目を宅地に変更することを条件に融資を行ないます。


資金に余裕があって借入をしない場合には、金融機関が関わってこないのでそのままスルーしてしまいます。


建物がある内にご相談頂ければ、地目変更は問題なくできますが、壊してしまった後ではさぁ大変。


一昔前だと、建築時に借入してないということは、建物登記もしていないことが多く(融資利用なら建物登記が融資実行の条件になる)、建物が建っていたことの証明が困難な場合も多々あります。



自分で所有し続けている(もしくは相続)のであればそう問題ではありません。


土地の利用上支障があったとしても自己責任ですし。


但し、売買するとなるとそういうわけにもいきません。


そうなると、水道の引込みを確認したり、昔の航空写真を掘り出したり、過去の課税明細を探したり、あの手この手で証拠を集めて、さらには土地家屋調査士の先生のコネも使って登記官と協議して可能性を探っていくことになります。


結構な時間と手間が掛かりますので、それなりの費用も掛かります。


結局、建物が建った時に普通に地目変更しておくのが断然安上がりということになります。



市街化区域内なら、売主で農業委員会に始末書を提出して、買主から改めて農地法5条届出を出してもらうことでクリアすることはできます。


一番問題になるのは 市街化調整区域 の場合!


旧既存宅地であることの証明は登記簿の地目変更記載のみです。


これが出来てないと、まぁ大変!


もしくは開発許可であれば、5条許可を取得しているはずですが、古いものだと農業委員会にも写しが残っていません。


所有者本人が持っているはずの原本が見つからないとかなりヤバいです。


確認申請同様、開発許可も昔は申請だけして完了検査を受けていない場合が多いので、現状建物が無い状態では申請通り利用していたかどうかの証明が困難です。



不動産取引の知識がない一般の方に取っては登記費用をケチったくらいで、先々そんな大変な目に合うとは想像もできないですよね。


自己所有している限りは法的にも問題ないわけですし。



でも実際はご自分、もしくは相続されたご家族が土地を売却しようとする際に、大変な障害 となりますので、やはり土地地目は現況の利用状況に合わせて都度地目変更登記を行なって行くべきです



田・畑以外の地目は互換性があるというか、正直どうでも良いのですが、田と畑、つまり


農地だけは農地法の制限を受けますので、行政上の届出や許可を取得したら、地目を変更することを忘れないようにして下さい!



今回はかなりマニアックな不動産取引知識でした〜!


では!



JAY



posted by どりげ岐阜スタッフ at 19:03 | Comment(0) | 日記

不動産詐欺

今年の8月に、不動産犯罪史に残るであろう驚愕の事件が発表されました。
あまりのスケールの大きさにご存じの方も多いかとは思いますが、
その事件とは、「Sハウス 63億円詐欺被害事件」
内容を良くご存知でない方に少し概要をご説明します。

大手ハウスメーカーのSハウスが、
東京の五反田駅まで3分の一等地にある、
旅館の建っていた土地約600坪を70億で買い付けて、
まずは4月に手付金として15億円を支払い、
6月に所有権移転登記の申請の際に48億を支払い、
残りの7億は移転登記が完了した際に支払う予定でした。

実際には、所有者とSハウスの間には不動産会社が介在して契約し、
土地の所有権は所有者からSハウスに直接移転登記する方法がとられました。
(あまり一般的な売買の手法ではありませんが、稀に行われます)

所有権移転申請の時までに合計63億円(15億+48億)が支払われて、
後は登記が完了するのを待つだけの状態だったのですが、
登記の受付をした法務局より、本人確認書類(パスポート)が偽造されている可能性があり、
登記申請は受理出来ないと連絡が入りましたが、もう後の祭り

実は、売主と名乗っていた女性は、所有者とは全くの別人。
偽造パスポートを使って本人に成りすまして契約。
印鑑証明も実印の紛失を理由に別の印鑑を再登録しているので、
司法書士も見抜けなかったみたいです。
(それを見破った法務局もスゴい!)

ニセの売主女性の単独犯では無くて、
おそらく後ろには大きな不動産詐欺集団(地面師集団)がいると思われます。
間に入っていた不動産会社もおそらく共謀者。
なぜなら、登記できなかったのを知って、
当然、Sハウスは間の不動産会社やニセの売主に連絡を取ろうとしましたが、
2者とも一切行方がわからず、間の不動産会社の事務所ももぬけの殻。
もぬけの殻というより、その会社の本社の住所には、
もとからそんな不動産会社の事務所は存在していませんでした。



こんな巨額な詐欺事件は、かなり特殊な案件ですが、
不動産取引をめぐる詐欺事件は、実は数多くあります。

私が入社して間もない今から20年以上に、
今は廃業された不動産会社の社長Sさんから聞いた詐欺事件。

事件が起きたのはバブル真っ只中の平成2〜3年ころ。
土地神話が疑われてもいなかった頃で、
土地の価格が年間で10〜20%以上も上がっていました。

金額は確かではありませんが、確か5,000万円の土地の売買契約があり、
契約時に2割の手付金1,000万円が買主Aさんから売主Bさんに支払われました。
その数日後、その契約を仲介したS社長の会社に1人の男性Dさんが現れ、
「先日、S社長が仲介したBさんの土地は、私も大変気に入っていて、
 どうしても諦めきれないから、売主Bさんから手付倍返しをして、
 損する手付金1,000万円に、更に1,000万円上乗せして7,000万円に出すから、
 私にあの土地を譲ってもらえるよう売主Bさんに話をしくれないでしょうか。」
と申し入れをしました。

手付金は、不動産取引では一般に「解約手付金」との意味合いで取り交わされ、
買主は手付金を放棄さえすれば、無条件で契約を解除でき、
売主は手付金を倍返しさえすれば、無条件で解約を解除できます。
(若干の例外や、手付解除できる期限はありますが)

その内容を売主Bさんに相談すると、
もともとの取引より1,000万円も儲かるとあって、
即、手付を倍返ししてDさんと契約しますと即答されました。
そして売主Bさんは、買主Aさんに手付倍返し分の2,000万円を支払い契約解除。
あとはDさんと7,000万円の売買契約をするだけだったのですが、
なんと、その後、急にDさんとは音信不通に。S社長も懸命に探しましたが、
Dさんの住所はもぬけの殻で、もしやと思ったS社長は、
買主Aさんを訪ねましたが、Aさんの住所も別人宅でした。

つまりもともと買主AとDはグルで、初めから売主Bさんから、
手付倍返しのお金1,000万円を巻き上げるための詐欺だったのです。



幸い、弊社は創業して今まで詐欺に巻き込まれたりしたことは無いのですが、
高額な金銭のやり取りがあるため、詐欺師にも目をつけられやすい業種ですので、
今後も安全な取引をお手伝いできるよういつも細心の注意を心がけてまいります。

あ、余談ですが、冒頭の詐欺にあったハウスメーカーのSハウスですが、
詐欺にあった分を特別損失で経理処理しても、
今期は過去最高売上(1兆円)、最高利益900億円だそうです

posted by U-kai(とも) at 13:05 | Comment(0) | 日記